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インタビュー

福嶋牧場インタビュー

福嶋牧場×阿知須牛

山口県山口市阿知須に位置する牛舎。
これまで数々の大会で輝かしい賞を受賞してきた
阿知須(あじす)牛を生産する福嶋牧場で商品へのこだわりを伺いました。
今回、ふじ匠のバイヤーがお話を伺ったのは、会長の福島経男様と社長の福嶋譲二様です。

人間と牛が同じ場所で生活を共にする

数年前に購入した水田に稲は植えずに夏は水を張り天然のクーラーに

数年前に購入した水田に稲は植えずに夏は水を張り天然のクーラーに

創業の経緯を教えていただけますか?

元々は会社員として牧場で牛の飼育をしていました。
しかし、地元のゴルフ場の拡張のため、その牧場の敷地を利用することになり、飼育を離れて異動することになりました。 それをきっかけに、牛を飼育することが好きだった私は、自分で牧場を作って牛を育てていくことを決意しました。 牧場を作り始める時から今の場所に来て、一から全て自分で牧場を作りました。 埋め立てや牛舎の建設も全て自分で行ったので、牧場を始めることは簡単なことではありませんでした。

福嶋会長にインタビューを行うふじ匠のバイヤー

福嶋会長にインタビューを行うふじ匠のバイヤー

おいしい牛を飼育するために
気を付けていることを教えていただけますでしょうか?

牛を飼う人間が同じ場所で牛と共に生活をすることです。
私は以前北海道で牛を飼ったことがあるのですが、車で数十分かかる場所や、山の広大な土地で育てる等、違う場所で育てることはしません。
実際に、私の自宅の目の前に牧場があるのでいつでも目の届く環境で牛を育てています。 牛にとってより良い環境にするため、牛舎・設備は全て手作りで、現在も新しい牛舎を建設中です。 西側を竹林で覆い、西日を防いで風をさわやかにするのもこだわりのひとつです。
自分の目の届く場所で、自分の手で一から牧場を作り上げています。

牛を「観察」して見極め、個体に合わせた飼育を徹底

牧場の想いを熱く語る福嶋会長

牧場の想いを熱く語る福嶋会長

牛にとって飼育される環境が重要ということですね?

はい、牛は草食動物なので大きな声を出す人を恐れますし、人間では感じ取れないものを敏感に感じ取ります。
牧場は車の音や人の声がほとんど聞こえないところにあります。 牛舎の環境を向上させるために、数年前に牧場南側の水田を購入したんです。 稲は植えずに夏は水を張り、天然のクーラーにしています。 すごく涼しい風が吹くので、牛たちも快適に過ごすことができます。
また、この水田のすぐ横には『畜魂碑』があり、毎年11月14日に畜魂祭を開いています。 個人の牧場で畜魂碑があるのは珍しいのではないかと思います。

飼育方法のこだわりを語ってくれた福嶋社長

飼育方法のこだわりを語ってくれた福嶋社長

音楽がかかっているのは何か理由があるんですか?

ここにたどり着くまでいろいろな曲をかけてみたんです。 まず牛がリラックスできて、人もリラックスできる曲をさがしていました。 その中で、人の声が入っている曲はだめだということがわかって、オルゴールというのが1番牛も人もリラックスできる曲でした。 牧場に餌を運ぶトラックなどが来た場合、何も音がない状態だと牛がザワザワっとするんです。
しかし、曲が常に流れている状態だと牛はトラックに特に反応しないんです。 そういうのもいろいろ試行錯誤して、演歌やスポーツ中継、JPOPなどいろいろな曲を流してみましたが、最終的にはオルゴールにたどり着きました。

オルゴールが流れる心地よい環境の牛舎

オルゴールが流れる心地よい環境の牛舎

では、福嶋牧場の飼育方法について詳しく教えていただけますでしょうか?

この牧場では子牛を、まず8~12頭を1群として約6か月間育てます。
この間に牛同士の相性や餌の食べ方、体格などを観察し、4頭1群に振り分け、さらに出荷までには2頭1群に分けていきます。 この牧場では牛を『観察する』ことを大切にしています。
血統や特徴が牛それぞれで異なるので、観察してからその個体個体に合わせたやり方で飼育をしています。 多頭数から徐々に少頭数にしていく中で牛同士の相性は重要になってきます。 相性が良い牛は相乗効果で1頭より2頭のほうがいいということもあるんですよ。

“全国肉用牛枝肉共励会”で
2度の名誉賞を受賞したのは史上4例目

過去に受賞した際のトロフィーが所狭しと並ぶ

過去に受賞した際のトロフィーが所狭しと並ぶ

それにしても、ものすごい数のトロフィーや賞状ですね。
どのような賞を獲得されたのでしょうか?

「全国肉用牛枝肉共励会」では2度の名誉賞を受賞しました。これは史上4例目という快挙です。
この大会には500頭程が出場しましたが、それぞれの牧場の選りすぐりの牛が集まった大会で優勝できました。 これ以外にも5年に一度開催されるお肉のオリンピックと呼ばれる「全国和牛能力共進会」でも実績があります。
初出品した平成5年から山口県代表として6大会連続で肉牛部門に出品しましたが、過去に優等賞・脂肪交雑賞・優良枝肉賞・歩留賞・脂肪の質賞など何度も受賞することができました。 枝肉に求められる重要な3要素の特別賞も全て受賞していて、これは全国で福嶋牧場だけです。

数々の受賞歴を持つ極上の阿知須牛をぜひご賞味ください

数々の受賞歴を持つ極上の阿知須牛をぜひご賞味ください

山口県は畜産で有名な土地ではないので受賞は大変だったのでは?

出場する牛は全て地元の種牛でないといけないのですが、山口県の種牛のレベルは高いとは言えません。 宮崎県や岐阜県、鹿児島県等は非常に良い種牛を持っておられる中で、地元の種牛を育てて全国1位や2位を取れることは夢みたいな話です。
餌や育つ環境は、そして牛を飼って育てる人の心構えは非常に大切になります。 牛は人のことをよく見ていますし、理解しています。また周りの変化にも敏感でストレスは肉質にも出てくるんですよ。

最後にひとことメッセージをいただけますでしょうか?

安全でおいしい牛肉を常に皆様に提供できるように頑張っていきますので、
この牧場で育てたおいしい和牛をぜひご賞味ください。

福嶋牧場の商品

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