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インタビュー

フジファームインタビュー

カナダ・北海道、熊本
自然のバトンで引き継がれる馬たち。
仕上げの1年は阿蘇山麓の澄んだ空気に囲まれて。
今回は熊本県「ふじ馬刺し」のフジチク—菊陽ファームさんに
お話を伺いました。

カナダから熊本へ
餌にこだわり大切に育て上げられたふじ馬刺し

ふじファーム

ふじ馬刺しのこれまでの沿革を教えてください。

ふじ馬刺しは、株式会社フジチクが提供しています。 フジチクでは馬肉の「ふじ馬刺し」と牛肉の「藤彩牛」を、それぞれ菊陽ファームとふじファームで担っています。 フジチクの歴史は、たった5頭の牛から始まっています。そこから、牛や馬たちを大切に育てみなさまに提供する技術を受け継ぎ、創業約40年になります。「生産者の顔が見える自社牧場」が安心・安全につながると考え、自社牧場である菊陽ファームで馬たちを大切に育てています。

「肉付きの良い大きな馬のために… 」
菊陽ファーム独自の特別な取り組み

ふじファーム

肥育期間には
どのようなこだわりがありますか?

現在、菊陽ファームには700頭~1,000頭の馬たちがいます。実は熊本ではお盆やお正月に馬肉が人気になるので、時期によって変動します。 仔馬たちは、主にカナダまたは北海道で育てられます。大自然の中で、仔馬は親馬と共に放牧され、ゆったり伸び伸び草原を駆け回って過ごします。そうやって育った健康で丈夫な仔馬たちを仕入れ、肥育期間を長く取って仕上げの約1年をこのファームで育てる上げる感じです。 仕入れの際は年齢ではなく大きさを見ます。最低でも2歳以上の馬を仕入れてはいますが、そろえるのは年齢ではなくサイズで、肉付きが良く重量のある馬を選んでいます。毛色はそれぞれの個性です。もちろん品種というか、掛け合わせのようなものもありますが、肉質や味に違いはありません。

馬の特性も知るべきと…
具体的にどのように向き合っているのでしょうか。

馬は群れで生活します。ですので、基本的には仕入れたときのそのままの群れで区切ります。群れの中で喧嘩したりすると、蹴ったり嚙んだり大変です。人に対してもそうですが、牛は舐めるんですが、馬は噛むんです。菊陽ファームの馬たちは身体が大きいので、こちらも気をつけないといけません。また、具合が悪くなったり怪我をした馬は治療のために一旦その群れから隔離するのですが、戻すタイミングをしっかり考える必要があります。群れから離れている期間が空き過ぎてしまうと、例え元の群れであっても戻れなくなってしまうので、いつ戻すか、体力は十分かなどをしっかり見極めて、その馬に合った環境を提供します。ですので、育てている頭数も多く群れで区切ったりもしていますが、「一頭ずつ管理している」という感覚です。

手厚い巡回で
「個」に焦点を置いて肥育されてるんですね。

馬たちの状態を把握するために毎日1時間おきに見回りをしています。主な目的は体調不良の馬を見つけることですが、そうやって日々の様子を細かく見ているからこそ、普段と違う様子に気づいて体調不良を早期に発見できるようになります。特に馬は、疝痛といって消化管に原因がある腹痛を伴う病気を発症しやすいのですが、対応が遅れると最悪の場合、死に至ってしまうこともあります。そんな事態を避けるためにも、普段の様子をしっかり把握することはとても重要です。そう考えると、1時間に1回じゃ足りないくらいです。

キーワードは「発酵」
こだわりの餌が馬たちを大きく健康に

ふじファーム

餌にもこだわりがあるとのことですが、
決め手は何でしょうか。

餌にはかなりこだわっていて、とても自信があります。1番のポイントは「発酵」です。ウチは自社でブレンドした配合飼料を使っているのですが、そこからさらに水を混ぜて機械で攪拌し、山を作って発酵させています。できたものをすぐに与えるのではなく、必ず一晩寝かせてから与えるようにしています。発酵した方が消化吸収に良いですからね。また、ウチの飼料に使っているトウモロコシは非常に粒が大きいのですが、1度乾燥させたものに水分を加えているのでホロホロっと容易に崩れて食べやすく、かつ一旦水分を与えているので、腸内で余計な水分を含んで膨らまないため消化吸収が良くなります。そんな風に普通の飼料にひと手間をかけて、消化吸収に良く疝痛になりにくい工夫をしています。最近では穀物の価格が高騰していますが、そこは妥協せずにやっています。 実は餌に関する情報はこれが初公開です。馬たちのことを1番に考え試行錯誤を重ねてたどり着いたので、少しでもその良さが皆さんに伝われば良いなと思います。

「発酵」はかなり重要なんですね!
美味しい餌を食べる馬は肉質も良いと…?

そうですね。本当に良いものを食べてると思いますよ。笑 発酵させると香りもすごく良くなります。この辺りも穀物が発酵した甘い匂いがすると思いますが、その方が馬たちもやはり食いつきが良いです。 餌は朝と昼の1日2回与えています。食いつきを良くするためには空腹の時間を作ることが大切で、長く育てていくコツだと思います。健康管理をしながら餌を与え、そのバランスを取るのは大変ですが、それが基本だと思っています。

ふじ馬刺しは美味しくて当たり前

ふじファーム

ここまでのこだわりがあれば、
本当に美味しい肉に仕上がりそうです。

美味しいですよ。笑
美味しくないわけがないです。自分たちで愛情をこめて一生懸命育てた馬たちを良い状態で送り出せたときはやりがいを感じますし、それがお客様の元に届くと思うととても嬉しいです。

これからふじファームの馬肉を
食べるお客様に一言お願いします!

暑い時期も寒い時期も、餌、体調、環境の管理を徹底して行っているふじ馬刺しは本当に美味しいですし、美味しくないわけがないと自信を持っています。熊本の馬刺し、ふじ馬刺しが美味しいと言ってもらえるようこれからも頑張りますので、ぜひ一度お試しいただき、ふじ馬刺しの美味しさを知ってもらえればと思います。

ふじ匠は、商品と同時に、生産者のプライドや人生を提供します。 生産者への徹底的な取材を通じ、味はもちろん、想いのこもった安心・安全な商品をお届けいたします。

▼動画はこちら

【フジファーム】ふじ馬刺し 売れ筋ランキング

ゆうぼくインタビュー

ゆうぼく×はなが牛

愛媛県西予市に広がる歯長峠に位置する牛舎。
牛の赤身を最大限に引き出した無農薬・無添加のはなが牛を生産する
牧場で進化を続ける技法とこだわりを伺いました。

食品安全への使命感が生んだ信頼の「はなが牛」ブランド

はなが牛

"ゆうぼく"の牧場は
どのような過程で創業に至ったのでしょうか?

今の社長は2代目ですが、初代の社長は元々北海道で不動産系をしており、その後愛媛に帰ってきて、野菜などを育て始めたそうです。「ゆうぼく」という会社が、牧場や1次産業を始めたのが約40年前ぐらいで、そこから少しずつ精肉店や加工品が始まりました。
化学調味料などの科学的アレルギーが出てしまうことがあり、安心安全の食材を作ろうと考えたのが始まりです。初代社長が農薬を野菜に撒いた後に飲むビールが不味く感じたことから、薬を使わない事へのこだわりが生まれました。

最初から牛一本で始めたわけではないと聞きました。

最初は、野菜や鶏など複数の一時生産業をしていましたが、2頭の牛を飼うことをきっかけに畜産事業を始めました。最近では、生産から販売まですべて管理しています。この、6次産業を行っているところは大きな特徴の1つですね。

最先端の管理システムを駆使した
効率的な肥育環境

はなが牛

少ない人数で多くの牛を管理しているとのことですが、
具体的にどのような環境なのでしょうか。

非常にシステマチックに管理していますね。具体的には、牧場ではクラウドサービスとスマートファーム技術を活用しています。スマートファーム技術とは、スマートフォンを使用して牛1頭1頭のデータを管理し、牛たちのストーリーを記録していくこと。このシステムを使って、牛たちの性格、健康、特徴などの細かいステータスを把握し、それぞれに合った管理ができるように配慮しています。少ない人数でも一頭一頭と向き合うためには、効率化が重要だと考えています。

すごいですね…!
もう少し詳しく伺ってもよろしいでしょうか。

はい。牛たちの性格、病歴、食事状況、行動パターン、健康情報など、個々のデータを細かく記録しています。これにより牛1頭1頭の成長と健康状態を追跡できます。牛たちがどのように成長し、どのようなストーリーを持つかをトラッキングし、必要なケアを提供するのに役立てているのです。

餌への徹底的な配慮。
安心を担保する「はなが牛」ブランド

はなが牛

一頭一頭にパーソナライズされた育て方なのですね。
この観点は、餌にも活きていると?

もちろんです。牛たちにはこだわりの飼料のみを与えて育て、餌の配合も細かく管理しています。当然、その内容の改良も定期的に欠かしません。餌への徹底的な配慮は我々が最も気をつけていることのひとつですから。

餌への徹底的な配慮とは
具体的にどのようなこだわりなのでしょうか?

主に3つのこだわりがありますね。まず第一に、「基本的には地元の食材を与える」こと。
きな粉、お米などですね。特にお米は西予市産のものを使用しています。お肉の味が濃くなるんですよね。また、麦わらや稲わら等の粗飼料も地元の農家さんから仕入れています。地元の食材を使用することで、地域経済を支援し、地産地消にも貢献することが狙いです。
次に、「オリジナルの配合飼料を成長に応じて与えていくこと」にもこだわっています。
飼料には麦わらや稲わらなどの粗飼料も含まれていますが、飼料自体の配合は品種ごとに異なり、仔牛の成長段階に応じて変更していきます。また、安全性の観点から遺伝子組み換えでない飼料も使っていますね。農家からもらった米ぬかなどです。品質の向上のためには妥協したくありません。
最後に、「モネンシンという成長促進剤を使用せず自然な成長を尊重すること」も心がけています。お肉の自然な味わいを引き出し、赤身を美味しく食べられるようにしたいからです。肉質にダイレクトに影響を及ぼす要素には最大限の配慮をしていますね。

なるほど…!
ダイレクトに肉質に影響を
与えることで赤身が美味しく食べられると…!

ええ、やはりお肉の美味しさは「赤身」の美味しさですから。アミノ酸のうま味を醸成すると、赤身がとても美味しく食べられるようになるんですよ。ですから、非常に細かなこだわりを持って餌を与えています。
要は、地元の食材を使って添加物に頼らない自然なかたちで育てることが牛を美味しくすると考えています。安心感もありますからね。
また、牛のフンを堆肥にして地元の農家さんに提供し、その土壌を肥沃としてご利用いただいています。そこで育った地元の農産物を牛が食べるサイクルを維持することで、地域循環型農法も実践させていただいています。地元の食材と土壌の健康に貢献し、地域の風土や質の高い食材を通じて、「はなが牛」独自のお肉の風味が出来上がっているのです。

良さを生かした
「はなが牛」ならではの美味しさ

はなが牛

赤身にギュッとうま味が詰まった
牛肉はとても美味しそうです。
牛ごとの特徴を把握してそれぞれの
美味しさを引き出しているわけですね。

間違いないですね。例えばサシが少なめの牛も、その特徴を活かして、赤身の美味しさを引き引き出しています。これは赤身肉のアミノ酸が強調されるからであり、行き着くところは「牛肉の味わい」を深めることに繋がるわけなんですね。
ですから、繰り返しにはなりますが、牛たちが個別の性格や食事習慣を持っていることを受け入れ、それぞれの特性に合ったケアをすることはとても大事なことです。個体ごとの最適な育成環境や餌の配合は違いますから。牛一頭一頭に個別の「ストーリー」があると考え、愛情を込めて、健康的な成長のお手伝いをしています。そして、それは食肉のストーリーとしてお客様にも知っていただきたい魅力なんです。

はなが牛の
「美味しさの秘密」を教えてください。

まとめると、餌にモネンシン(成長促進剤)を使用しないことでお肉に余計な物質が含まれていません。地元の食材を中心に、自社で配合した飼料を使っているので、肉の旨味が増し、日本料理にも適しています。
更にお肉を3週間以上熟成させているので、柔らかくて風味豊かな味わいを生んでいます。極端にサシが入らないので、赤身そのものの味わいが深く、上質な牛肉として食べていただけるかと思います。

最後にこれから「はなが牛」を
食べるお客様に一言お願いします!

「はなが牛」を通じて、安心と安全、そして美味しさを味わってください。私たちは牧場からお肉を提供する過程で個体差を尊重し、自然な育成環境を大切にしています。お肉の背景には牛たちの個々のストーリーがあり、その繋がりが美味しさを生み出しています。ぜひ、あなたの食卓に「はなが牛」のおいしいお肉を。我々の想いを共有できることを願っています。どうぞお楽しみください!

ふじ匠は実際にこだわりの牛を育てている現地に足を運ぶ仕入れを徹底し、
厳選した上質なお肉を提供しています。

▼動画はこちら

里山牧場インタビュー

広大な土地で自由に動き回り、牧草を食べて伸び伸びと暮らす牛たち。
そしてそれを見守る人々。
消えつつある「里山」の光景がそこにはあります。
今回は、そんな里山を復活させた 鹿児島県志布志市に位置する里山牧場の皆さまにお話を伺いました。

人×自然×牛の調和。
試行錯誤が生んだ「里山牧場」ブランド

お客様が本当に求めるものを提供したい

里山牧場は1995年に創業されました。「自然の中で仕事がしたい」という想いを胸に、坂上現社長がこの志布志市に戻ってきたことがきっかけです。当初は芝園でしたが、時代の流れもあってピーマンなどの農作物を栽培するようになりました。その後、お客様が本当に求めるものを提供したい、農業や畜産をしっかりと地域で循環させるシステムを作りたいという思いから、牧草やデントコーンなどの飼料作物の栽培も開始しました。畜産を始めたのは2019年です。荒廃しつつある地域の土地を有効活用しなければならないという課題に色々なご縁がつながって、「放牧で畜産をする」という目的のもと今にいたります。

スタート当初は問題が山積みだった・・・

最初は畜産をするとは全く思ってなかったので、誰も牛の飼い方すら知りませんでした。顧問の方にアドバイスをいただきながらなんとかやっていたのですが、美味しいお肉を消費者の方へ届けるというのは本当に難しかったです。経産牛は脂のノリが悪く、サシが入らない傾向にあります。また、草を食べている牛は脂の色が黄色いため、「こんな肉は売れない」と言われたこともありました。 そこで次は加工の研究と勉強です。大切に育てた牛たちのお肉を、しっかりと消費者の方に届けるため、加工も自分たちでやろうと決意しました。そうして、畜産業を始めて半年後の2020年に、ようやく販売までたどり着くことができました。

課題と課題のかけ算で辿り着いた「里山牛ならではの美味しさ」

マイナスとマイナスを掛け合わせるとプラスになる

私たちは、「課題と課題、マイナスとマイナスを掛け合わせるとプラスになる」という考えが基本です。今まで生産者さんは、良いサシを入れることに重きを置いていました。それも正しいのですが、一方で「健康的にお肉が食べたい」という消費者のニーズがあるのも事実です。そのギャップを埋めるべく、牛たちを放牧という形で自然に・健康的に太らせるという課題をプラスに変えた答えは、子牛の段階でミルクや配合飼料をたっぷり与えて肥満体質にすることでした。大人になってからの餌を重視し、里山牛は成長してからは配合飼料を与えないようにしているのですが、子牛の段階で肥満体質になっていると、あとは牧草だけでもちゃんと太るようになるのです。

里山牛の「美味しさの秘密」

とは言うものの、牧草だけでは大きく・美味しくならないのも事実です。臭みがなく、甘くて美味しい里山牛の秘密は、デントコーンだと思います。里山牛はデントコーンと牧草のみを与えていて、ビール酵母などの配合飼料は与えていません。ですので、カギはデントコーンかなと。 また、私たちはデントコーンの栽培を自社で行っていて、輸入に頼っていません。今、世界では、畜産飼料の栽培が地下水を枯渇させるという問題があり、輸入飼料の購入はそれを加速させてしまいます。そのような課題に対し、地産地消で畜産業と農業を循環させているというのも、美味しさの秘密の一つだと思っています。 どのくらいの割合でデントコーンを与えればより良くなるのかなどは、まだまだ試行錯誤を続けています。

人「里」と自然「山」の調和を大切にした「里山牛」

ブランド名に込めた思い

人里と自然の境界に牛を放牧しているというのが、里山牛の名前の由来です。牛がいると、イノシシなどの害獣は人里には近寄りません。しかし、何もしなければただの野生になってしまいます。このように、「人」が管理をすることで、野生動物と良いバランスで共存することができ、自然の中の循環が生まれます。地名から取ったり、放牧に由来する名前を付けようとも思ったのですが、「人と自然との調和を大切にしながら、美味しいお肉を届ける」という私たちのコンセプトを、よりしっかり伝えたいと思い「里山牛」と名付けました。

「自然の中で牛が自由に育つ環境」

確かに「自然に」というと、肉質にブレが生じると思われがちなのですが、里山牛はないんですよね。もちろん太りやすさには個体差があるので、毎月、全頭に体重測定をして、出荷のタイミングを調整しています。また、「自然に」といっても放置ではありません。牛舎で管理をしていない分、体調などはしっかり見てあげないといけないので、意外と手はかかっています。 牛舎で育てられた牛たちは、里山牧場に来たばかりの頃は、走り方も自然な餌の食べ方もわかりません。しかし、数日すればしっかり食べ、1ヵ月もたてば走れるようになります。このように、人と自然の調和が上手くできているのが良いんじゃないかなと思いますね。

取り組みが実を結ぶ。
「サステイナブルジャパンアワード」への選出実績

サスティナブルジャパンアワード

やはり、やってきたこと・やりたいことが評価されたのはとても嬉しかったです。「里山牛」ができたことがまずは良かったのですが、それを販売にまでつなげるには、たくさんの苦悩がありました。そうした中で、全体で2番目の評価をいただけましたし、大手の有名企業が名を連ねる中、「里山牧場」の名前が挙がったときは本当に報われた気持ちでした。 しかし、まだまだ環境に関することは世界中で問題となっていますし、特にヨーロッパは環境や動物愛護・福祉の意識が高いです。そのような海外のお客様にも、今までとは違う和牛の価値をお届けできるよう、これからも頑張っていきたいと思います。

人と自然との調和 里山牛ストーリー

私たちは、ただの肉売りにはなりたくないと思っています。里山牛の美味しさはたくさん知っていただきたいですが、「人」と「自然」との調和や、動物愛護・福祉という里山牛のストーリーを理解し、共感していただきたいという想いもあります。これからも、品質の向上はもちろん、自然と共存する畜産の形を追求していきますので、楽しみに応援いただければと思います。

ふじ匠は、商品と同時に、生産者のプライドや人生を提供します。 生産者への徹底的な取材を通じ、味はもちろん、想いのこもった安心・安全な商品をお届けいたします。

【里山牧場】里山牛 売れ筋ランキング

  • 2023.09.20
  • 14:17

うしの中山インタビュー

鹿児島県鹿屋市に広がる広大な台地に位置する牛舎。
牛の能力を最大限に引き出した「巨匠」「輝母牛」を生産する
うしの中山で1950年の創業から変わらない技法とこだわりを伺いました。
今回、ふじ匠のバイヤーがお話を伺ったのは、代表で牛飼いの中山高司様です。

知られざる「うしの中山」創業秘話

牛飼いの中山高司代表

「牛飼い」として
うしの中山を経営するに至った経緯を教えていただけますか?

3歳のころから家族に「牛を引っ張って!」と言われていましたので、小さい時から無意識的に牛を飼うことを意識していたと思います。高校は畜産科、大学は農学部と牛を飼うために通っていました。大学卒業して帰ってきたら最初は父の手伝いをしていました。しばらくすると資金の1,800万円と土地を借りて120頭から始めたんです。これがうしの中山の始まりです。うしの中山という会社名には「牛がいたから中山家がある」という想いが込められています。稲作やジャガイモ作りなどに手を出さず牛一筋でここまでやってきました。父が初代、私が2代目にあたります。

1950年創業とのことですが
昔はとても大変だったのではないでしょうか?

昔は肉牛というより働く牛が多かった印象です。運動させないと足が強くならないので父からは「よく運動させとけ」と言われていました。ですから牛の運動と餌やりに多くの時間を費やしていましたが、それが当たり前の時代だったので大変だとは思いませんでした。藁などは今でこそ電話一本で持ってきてもらえますが、スコップフォークで仕切りを変えて藁を自分で集めて束にするなど、とにかくあらゆる仕事を手作業で丁寧にしていた記憶が強いです。

美味しい牛を作ることが使命

ふわふわの敷料の上でくつろぐ

肉質を高いレベルにするために
最も大切なことを教えていただけますでしょうか?

最も大切なことは飼育環境と餌の質です。飼育環境が良くないと何をしても肉質は上がりませんから基本です。美味しい牛を作らないと処分されてしまうのでかわいそうですから、最終目標というのは肉の美味しさなんです。うしの中山の飼料は、牛が美味しく食べることを徹底しているので価格がちょっと高い。経費削減のために安い飼料をオススメされたこともありましたが、試行錯誤を繰り返して自分で配合をしています。胡麻、ぬか、胡麻粕、大豆粕に煎り大豆など様々なものを試しましたが、実際にうまくいくのは2割程度です。

何度も試行錯誤を重ねてきた独自の飼料

独自の配合飼料の研究は
今も継続して取り組んでいるのですね?

はい。飼料の配合は変わらず研究を続けています。
中国の藁を使わず麦わらを使ったり、ミネラルを摂ってもらえるようにしたり。 最近では、量を増やしていくと甘みが増した麹菌や消化吸収に良いバクタモン菌、麦わらに入れてラップをすることで発酵して柔らかくなる乳酸菌などを配合し牛が美味しく食べれるように工夫しています。自分一人ではなく従業員や紹介された方など、なるべく多くの方の意見を取り入れながら試行錯誤の毎日です。 そうした試行錯誤のなかで取り入れたのが、福山町(鹿児島県)の「福山黒酢株式会社」の「黒酢もろみ」です。これを与えることで、格段に脂の甘みが増したんです。最高級の飼料を使っているので、限られた雌牛にしか与えられません。そうして生み出されたうしの中山最高峰のお肉を「巨匠」と名付けました。

2017年、長島から鹿屋の地へ

広大な台地に位置する牧場 周囲にもたくさんの牧場がある

2017年には長島から鹿屋へ牛の大移動がありましたよね。
とても大変だったのではないでしょうか?

よく「大変だっただろうな」と言われるけど、楽しくて楽しくて仕方なかったので苦労したとは思っていないですよ。具体的には13日間かかりました。その中で12日は私が朝に行ったり来たりしていましたね。1,200頭のうち200頭は出荷が近かったので長島に残り、出荷を終えてから移動しました。周囲からは「そんなことしたら肉質もガタガタになって牛もダメになる。」「1,000頭も移動したら大変だ。潰れるぞ。」と言われましたが、「人間だって旅行とかするんだから大丈夫だ」と確信していました(笑) ただ「水が合わなかったらどうしよう?」という不安だけはありました。そこで長島と鹿屋の水質を調査してもらったんですが、なんと「鹿屋の方が質が良い」と言われたんです。事実、移動してきて下痢した牛もいなければ途中出荷になったのもたった1頭だけですから。この1頭も脚が悪かったという理由です。結果的には、移動した牛の方が肉質が良くなりました。やっぱり水が大事だったんですね。

人と同様に、水が合うかどうかは牛にとっても大切なこと

2022年現在、鹿屋にはどのくらいの牛がいるのでしょうか?
また、将来的に牛を増やしたりする展望などありますか?

ちょうど5,000頭ほどおり、施設には5,040頭入るようになっています。今後は、大崎の方でも3,600頭くらいは飼いたいですね。そもそも我々の代で12,000頭まで増やしたいという目標があり、税理士さんや銀行さんからも背中を押されているんです。ですから土地などを買ってすでに準備はできているんですよ。

第12回全国和牛能力共進会に鹿児島県代表として出場

インタビューを行うふじ匠バイヤー

8区に選ばれた時のご状況を
教えていただけますでしょうか?

5年に一度ですし、こんなチャンスをもらったこともないのでとても期待していました。 とはいえ8区(※)に選ばれるとは思っていなかったんです。 選ばれたときは1時間くらいしてダーッと汗が出てきて、その時は「わあ、すごいことしたな」と感じました。すると今度はプレッシャーがかかるわけです。 「今年はみなさん鹿児島が日本一だと思ってるから8区で1席を取らないと話にならないな」と。選ばれたときはとても嬉しかったですね。

※審査項目によりいくつかの出品区が設けられており、8区は純粋な肉質を審査する部門。2~3頭のグループで競う区が多い中、8区はそれぞれの県の代表牛1頭で競われるため、 プレッシャーを一身に受ける。
取材後、2022年10月6日~2022年10月10日にかけて大会が行われ、見事8区で日本一(農 林水産大臣賞)を受賞されました。

輝かしい受賞歴の数々

最後にひとことメッセージをいただけますでしょうか?

様々なこだわりをもって肥育していますが、まずは食べてみてください。とにかく味わっていただくのが一番です。ありがたいことに近年周りから評価をしていただけるようになりましたが、うしの中山としてはあくまでも通過点です。試したいこと、やりたいことがまだまだたくさんあります。さらなる高みを目指していきますので、これからもうしの中山にご期待ください。

ふじ匠は実際にこだわりの牛を育てている現地に足を運ぶ仕入れを徹底し、
厳選した上質なお肉を提供しています。

うしの中山の商品

  • 2023.09.20
  • 10:54

萩むつみ豚インタビュー

小野養豚×萩むつみ豚

山々に囲まれたのどかな田園風景広がる山口県萩市むつみ地区。
肥沃な土壌に恵まれた農業が盛んなところです。
この地でブランド豚「萩むつみ豚」の生産・肥育から精肉販売までを一貫して行っている
小野養豚の小野靖広社長に、商品へのこだわりを伺いました。

地域の資源をいかした循環型養豚を目指す「萩むつみ豚」

養豚業で出る大量の堆肥を田んぼに還元し、育った穀物を飼料や敷料に利用

養豚業で出る大量の堆肥を田んぼに還元し、育った穀物を飼料や敷料に利用

まず、創業の経緯から教えていただけますか?

1955(昭和30)年頃、私の祖父が地元の人と共同経営で養豚を始めたことがきっかけです。父が手伝い始めた頃はまだ数頭の規模でしたが、1967(昭和42)年に母豚を30頭に増やし、1993(平成5)年に法人化。周囲の田んぼを買い取り、新しい豚舎を建て、頭数をさらに増やすなど、徐々に経営規模を拡大していきました。 私は大学で電気工学を専攻し、卒業後は大阪で会社勤めをしていました。しかし、社長だった父が仕事中にケガをしてしまったことから、「これだけの規模の養豚を絶やしてはもったいない」と、家業を継ぐことを考えるように。そこで、24歳のときにUターンし、2002(平成14)年に就農。2018(平成30)年に社長に就任しました。

どんな豚を育てているのですか?

大ヨークシャー種とランドレース種の交配種にデュロック種の雄を交配させた三元交配豚(WLD) を飼育しています。それぞれの種の長所を掛け合わせることで肉質が良くなるだけでなく、病気にも強くなるといった飼育面でのメリットも生まれます。現在、母豚は115頭、全体で約1,400頭を飼育し、年間およそ2,400頭を出荷しています。

大ヨークシャー種とランドレース種の交配種にデュロック種の雄を交配させた三元交配豚

大ヨークシャー種とランドレース種の交配種にデュロック種の雄を交配させた三元交配豚

おいしい豚を育てるために大切にされていることはなんでしょうか?

豚肉のおいしさや肉質を決める重要な要素の一つがエサです。弊社では、長年の研究と経験から生まれたオリジナルの配合飼料を与えています。なかでも大きな特徴がエコフィードです。エコフィードとは、本来廃棄されるはずの食品残さを原料とする飼料のこと。パンくずやピーナッツくず、酒米の米粉、米糠、餃子の皮などを、農場内で乾燥・粉砕して保存性を高めた後、トウモロコシや大豆かすと混ぜて与えています。原料によっては出回る時期に変動があるため、成分に偏りがおきないように季節に応じて飼料の設計を変えています。 エコフィードを用いた自家配合飼料は6タイプ。たとえば、肥育前期(生後90〜120日)の豚にはエコフィードを6割使用するなど、肥育段階や雄雌によって配合を調整しています。また、豚肉の旨味の元となるアミノ酸、消化を助ける消化酵素、栄養価の高い黒麹などをバランスよく添加し、健康でおいしい豚肉になるように育てています。

エコフィードによる肉質の向上

エコフィードによる肉質の向上

おいしさの秘密はエコフィードを使ったエサにあるのですね!

「萩むつみ豚」は、噛めば噛むほど旨味が溢れ出し、味が濃いのが特徴です。以前はメーカー製造の配合飼料を使っていましたが、パンを主体とするエコフィードを配合したオリジナル飼料を与え始めてから、サシが入りやすく、柔らかくて甘みのある良質な豚肉になりました。また、腸内環境を整える乳酸菌を配合することで、腸内環境を整え、豚肉特有の臭みを軽減しています。

豚のストレスを極限まで減らす環境づくり

豚のストレスを極限まで減らす環境づくり

どのような飼育環境で育てているのですか?

約1,400頭の豚を25,000㎡の広々とした敷地内でのびのびと育てています。1頭あたりの専有面積は1.6㎡以上。のこくずや木くず、もみ殻を敷き詰めた豚舎で、ストレスを極限まで減らす環境づくりをしています。また、この敷料を敷き詰めることで臭いの発生も抑えることができます。敷料は定期的に入れ替え、使い終わったものは堆肥として地元の田んぼに還元しています。

 約1,400頭の豚を25,000㎡の広々とした敷地内でのびのびと育てています。

農業と密接な関わりがあるのですね。

我々の養豚は米ありき。農業との連携が不可欠です。現在、農事組合法人むつみと連携して養豚業で出る大量の堆肥を田んぼに還元しています。その田んぼで育った穀物を豚のエサにする。籾すり時に出るもみ殻を豚舎に敷き詰める。米づくりの副産物を利用した地域循環型農業が弊社の特徴です。2018(平成30)年には、市内外の10法人で「萩むつみ豚資源循環クラスター協議会」を発足し、エコフィードによる地域循環型農業に取り組んでいます。さらに、2019(令和元)年には、エコフィードによる畜産物生産の優良事例として全国最優秀賞(農林水産省生産局長賞、中央畜産会長賞)を受賞することができました。

田んぼで育った穀物を豚のエサにする

相当なこだわりを感じます。品質とコストのバランスをとるために、何か工夫されていることはありますか?

敷地内には加工場もあります。生産から加工までを一貫して行うことで、品質を保っています。エコフィードをエサにしたり、敷料を定期的に入れ替えたりするため、通常の倍くらいの人手が必要です。そこで、県外からのパンくずや餃子の皮などの運送は、肥育豚の出荷の帰り便を使うことで、輸送コストを極力抑えるように工夫しています。

飼育される上で大変なことは何でしょうか?

大変なのは健康管理です。繁殖から出荷までを一貫して行っているので、1日たりとも休むことができません。毎日エサの食いつきをチェックしながら、定期的に専属の獣医師にも診てもらっています。1カ月に25回くらいの出産があるため、豚舎にはカメラをつけて常にスマホからも様子を見られるようにしています。 豚は汗腺が発達していないので、人間のように汗をかいて体温を下げる仕組みがありません。そのため、夏場は換気や細霧システムで暑さ対策を行っています。冬の寒さにも弱いですが、敷料があることで、冬でも豚舎を閉め切れば、一定の温度を保つことが可能です。また、日照不足が体調不良につながるため、照明管理にも気をつけています。

有限会社小野養豚の代表取締役小野 靖広様

有限会社小野養豚の代表取締役小野 靖広様

最後にひとことメッセージをいただけますでしょうか?

お客様から「ここの豚肉じゃないと食べられない」と言っていただけるのが一番うれしいです。味には絶対の自信があります。手間暇かけて育てた「萩むつみ豚」ならではのおいしさをたくさんの方に知っていただきたいです。味の違いをぜひ確認してみてください!

小野養豚

岩国ファームインタビュー

岩国ファーム×やまぐち和牛 燦

山口県岩国市の山あいにある静かで心地良い牛舎。
令和2年12月に創設された山口県産和牛の統一ブランド「やまぐち和牛 燦」を生産する
岩国ファームに商品へのこだわりをお伺いいたしました。
今回、ふじ匠のバイヤーがお話を伺ったのは、岩国ファーム代表取締役の村田様です。

「やまぐち和牛 燦」の基準をクリアする飼育

インタビューの際に餌の管理台帳を見せていただいたふじ匠のバイヤー

インタビューの際に餌の管理台帳を見せていただいたふじ匠のバイヤー

飼育方法について詳しく教えていただけますでしょうか?

弊社は過去に肥育した牛の枝肉成績、血統、遺伝的能力、飼料供給量をすべてデータで保管しております。牛は、各部位が発達する月齢、サシが入る月齢が決まっており、発達段階に応じた適切な給与飼料の選択、緻密な供給量の設定が求められます。肥育する牛の血統や遺伝的能力から特徴を把握し、過去蓄積したデータに照らし合わせ、最良の飼料設計を行っています。

デジタル管理を行っている

1頭1頭細かくデジタル管理を行っている

美味しい牛を飼育するために気を付けていることはありますか?

最も気を付けていることは、牛にストレスをかけないことです。牛にストレスをかけるとサシの入りや肉色が悪くなりますし、「美味しさ」に影響を与えるオレイン酸やグリコーゲンが低下してしまいます。そのため、牛にストレスがかからない環境を整えることに最も気を遣っています。牛舎は山あいにあり、静かで、心地良い風が通ります。牛は常にリラックスした状態です。

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穏やかな 眼差しで牛と接する村田代表取締役

徹底したデジタル管理とこだわりのオリジナル飼料

牛に与える餌に特徴などはありますか?

弊社は酒粕を肥育牛に与えています。山口県は清酒生産が盛んで、2017年山口県の清酒出荷数量は約22,600klで全国6位を誇っています。(経済産業省「工業統計調査」より)清酒生産過程で出る酒粕を畜産分野で有効活用できないかと思い、牛に与えてみたところ、嗜好性(好んで食べるかどうかの指標)が非常に良かったことから餌に混ぜて与えています。そうすることで牛の食い込みが良くなります。また、酒粕はタンパク質を非常に多く含んでいることから、牛の歩留向上にもつながっており、一石二鳥です。

高級日本酒「獺祭」の酒粕を使用したオリジナル飼料

高級日本酒「獺祭」の酒粕を使用したオリジナル飼料

牛によって餌を食べてくれないことはありますか?

それはありますよ。日々餌の量を管理していますので、それを見て判断しています。出荷直前の牛は食べる量が減りますが、若い牛は餌の残りが多いと調子が悪かったりが分かります。体調の見分け方として他には、牛の元気がなくなります。そこは毎日見ている私たちでないと分からないところです。

牛の様子を確認しながら餌を管理

牛の様子を確認しながら餌を管理

牛に名前はありますか?

すべての牛に名前があり、血統書もあります。名前は従業員がつけています。また、牛の首についているセンサーと携帯を連動させることで、牛の体温等で発情したかすぐに分かるようになっています。センサーが反応したときに、どの牛かがすぐ分かり、出産時もすぐに駆けつけることができます。過去の履歴も残していますので、管理体制はしっかり整えています。

スマートフォンで24時間デジタル管理を行っている

スマートフォンで24時間デジタル管理を行っている

牛を育てるうえでの苦労や嬉しいことはありますか?

牛は生まれてから出荷するまで、およそ2年半かけて育て上げます。その2年半の間に様々な飼育ステージがあり、 その1つでも失敗することができませんので、日々気が抜けないところです。また、牛は人が手をかければかけるほど応えてくれて、 餌をよく食べ、よくサシが入った美味しい牛になってくれます。丹精込めて育て上げることで、 その牛の能力を最大限引き出せて生涯を全うさせることができたならとても嬉しいことです。

餌の配合比率の追及により、ブランドが作られていく

餌の配合比率の追及により、ブランドが作られていく

岩国ファーム様が大事にしていることはありますか?

常に消費者の嗜好を意識しています。弊社は、生産・加工・販売まで行う6次産業事業体でもあります。実際に食肉を販売する立場ですので、消費者から寄せられる生の意見、感想を踏まえて、消費者の求める美味しい牛肉を提供できるように追求しています。

岩国ファーム代表取締役村田様

岩国ファーム代表取締役の村田様

最後にひとことメッセージをいただけますでしょうか?

牛の改良は日々進んでいます。牛の飼育方法もそれに応じて敏感に変化していけるよう取り組んでいきたいと思います。 丹精込めて作り上げたお肉を是非堪能ください。

岩国ファーム

深川養鶏農業協同組合インタビュー

深川養鶏農業協同組合×長州黒かしわ

山口県長門市の海に面した山奥にひっそりとたたずむ鶏舎。
山口県初の地鶏、長州黒かしわを生産・販売する深川養鶏農業協同組合と
長門アグリストに商品へのこだわりを伺いました。

今回、ふじ匠のバイヤーがお話を伺ったのは
生産者の長門アグリスト代表取締役の末永様と
深川養鶏農業協同組合営業開発部課長代理の本田様です。

長門アグリスト様は深川養鶏農業協同組合様の
ブランド地鶏「長州黒かしわ」を専属で飼育する契約農家です。

唯一無二の扇型鶏舎で山口県初の地鶏
「長州黒かしわ」を育てる

機能と安全性を兼ね備えた「扇舎」

機能と安全性を兼ね備えた「扇舎」

末永社長はこの道に携わって何年になりますか?

この道30年強になります。 2010年頃から深川養鶏さんが「長州黒かしわ」を開発し始めていて、オリジナルブランド地鶏を作るのに試行錯誤されていました。 そこで我々が当初ブロイラーを飼っていた時に得た、いろいろなノウハウを応用し、 深川養鶏さんと一緒に一から餌の配合設計を考えるなどして現在に至ります。

変わった形の鶏舎ですね?

おそらくこのような形の鶏舎は全国でここしかないと思います。 この形の方が鶏を飼いやすく、さらに長州黒かしわの今後の活躍を祈念し、末広がりの意味も込めてこの形にしました。 なぜこの鶏舎を建てたかというと、通常の養鶏農場は鳥インフルエンザなどいろいろな病気の関係で遠くから眺めていただくことしかできません。 しかし、ここは県の保健所にもいろいろ相談して鶏舎の近くまできて直接、長州黒かしわを見てもらえるように設計にしています。

プロのノウハウを結集させ、多くの努力により誕生した山口県初のブランド地鶏

プロのノウハウを結集させ、多くの努力により誕生した山口県初のブランド地鶏

長州黒かしわとはどんな鶏でしょうか?

簡単に説明すると、国の天然記念物「黒柏鶏」をもとに三元交配をして山口県と深川養鶏で共同開発した県内初の地鶏になります。 地鶏の定義というものがありますが、1㎡辺り10羽以下、出荷日数が75日以上の在来種。 在来種と言っても血統が50%以上の昭和以前に日本に入ってきた鶏となります。 長州黒かしわは1㎡辺り8羽、出荷日数が90日で血統がなんと75%以上の在来種になり、すべて基準をクリアしています。

独自の配合飼料によって育てられた絶品の「むね肉」

鶏舎に近づいてインタビューができることは非常に珍しい

鶏舎に近づいてインタビューができることは非常に珍しい

他の地鶏と何がちがうのでしょうか?

一般的に地鶏は噛めば噛むほど味が出るって言いますが、長州黒かしわの場合はそこまで硬くなく、 程よい歯ごたえで旨味が凝縮されています。特に普通、鶏肉と言えばもも肉が美味しいと言われていますが、長州黒かしわはむね肉が美味しいんですよ。 餌にもこだわりがあって、通常配合飼料がほとんどですが、長州黒かしわは現在約60%が地元の穀物、残りの40%が配合飼料を与えています。 地元の穀物とは裸麦と大豆、小麦など、その他4種類を一定の比率にブレンドし、栄養バランスを整えて与えています。 通常、鶏肉の脂は配合飼料であれば、油脂分がベースとなった脂がつきますが、穀物を与えると非常に澄んだ脂になり、肉から出る脂もガラスープもほとんど透明です。

緑黒色に光る羽と、尾が長く気品と風格が漂う

緑黒色に光る羽と、尾が長く気品と風格が漂う

他に長州黒かしわを飼う上での特徴はありますか?

飼う環境にもこだわっています。この鶏舎は海が近いですが、山の中にあります。 あまりに暑いときは扇風機を入れますが、ほぼ自然環境のままで育てています。鶏舎には鶏と水と餌しか入れません。 薬も消毒のための石灰も入れていません。消毒って殺菌剤ですよね。菌ってすべてが悪いわけじゃなく、良い菌もいっぱいあるっていうのが私の考え方です。 優良な菌で埋め尽くせば、病原性の大腸菌などが入ってこれないんです。鶏たちの下にある敷料も5年前のものも入っています。 それだけ良い菌で埋め尽くされているということです。また鶏舎って結構臭いがすると思います。 色々な方々がこの鶏舎を訪れますが、皆さん口をそろえて臭くないって言われます。これも悪い菌がいないという証拠です。

長州黒かしわは今も進化し続けている

地元で取れた穀物中心の餌によって独自の旨みが生み出される

地元で取れた穀物中心の餌によって独自の旨みが生み出される

餌の配合などは季節や気候によって変えたりするのですか?

今年の秋から冬にかけての段階でもう少し裸麦の比率を上げようと思っているのですが、すぐすぐ簡単には変えれません。 餌の配合比率を変える段階で肉質が変わるか変わらないかを県の畜産試験場で検査しないといけません。 肉質が変わらないと証明されれば、我々の農場も餌の配合比率を初めて変えることができます。 つい適当に餌をこういう風にしようと変えてしまうと、毎回鶏の味が変わってしまう。 ブランド化っていうのはいつ食べても同じ味だということが基本中の基本です。

餌の配合比率の追及により、ブランドが作られていく

餌の配合比率の追及により、ブランドが作られていく

今までで一番苦労されたことは何ですか?

やはり鳥インフルエンザの時は大変でした。79年ぶりに日本で出た時は一番ひどかったです。 移動制限区域も広かったですし、今こそ半径3㎞制限で殺処分ですが、あの当時は半径30㎞でしたから。 でも何より風評被害が・・・。 山口県を通った肉は買うなって言われていました。 鳥インフルエンザは人間には感染しないんですが・・・。 寒い時期になると、毎年不安になります。

鶏冠があるオス(手前)はどっしりとした体格

鶏冠があるオス(手前)はどっしりとした体格

長州黒かしわを育ててきてよかったと思うことはありますか?

飼育に関しては自分たちでいろいろ決められるところがいいですね。 自分たちの配合した飼料や住みやすい鶏舎で鶏がすくすく育つと嬉しいですよ。 ブロイラーだと餌も値段もこれと決められているし、いくら我々が努力しても外部環境ですべてが決まり、 その中で売れるか売れないかの商売と戦っていかないといけないので。

強い想いとこだわりが感じられる

強い想いとこだわりが感じられる

最後にひとことメッセージをいただけますでしょうか?

長州黒かしわは第3の地鶏と言われています。全国にはたくさん美味しい地鶏があるけど、その美味しさとはまた違った新しい地鶏の味です。是非一度お召し上がりください。

深川養鶏農業協同組合

長沢台生産組合インタビュー

長沢台生産組合×長萩和牛

山口県萩市の人里離れた山奥にひっそりとたたずむ牛舎。
今回、ふじ匠のバイヤーがお話を伺ったのは、農事組合法人長沢台生産組合代表理事の水津様です。

地元を盛り上げるために誕生した「長萩和牛」

広大な自然に囲まれる長沢台生産組合の牧場

広大な自然に囲まれる長沢台生産組合の牧場

長沢台生産組合さんは創業何年目でしょうか?

昭和54年からになります。もともとは任意団体で阿武町の無角和種を育てていました。 昭和59年に農事組合法人を設立し、平成になってからは黒毛和種を育てるようになり現在に至ります。 現在、330頭ぐらいの牛を飼育しています。

長萩和牛はどのようにして誕生したのですか?

長萩和牛というブランドが誕生するまで、長沢台生産組合で育てた牛はほとんど大阪に出荷されていました。 そこで地元にはこんな美味しい牛肉があるということで、地元のバイヤーさんと一緒に「長萩和牛」というブランドを作り、 地元を盛り上げようということから誕生しました。 種付から行い、長沢台で生まれ、地元の餌を食べて長沢台で育った牛しか「長萩和牛」と名乗ることはできません。

長沢台で生まれ、地元の餌を食べて育てることが
美味しい肉になる秘訣

牛の話になると優しい笑顔がこぼれる水津代表理事

牛の話になると優しい笑顔がこぼれる水津代表理事

地元の餌を食べるとおっしゃってましたが?

牧場の前に赤土の広い畑があります。そこで我々が牧草を作っています。 稲わらは地元の近隣農家から牛の堆肥と交換して耕畜連携で行っています。 地元の田んぼ農家の方々もうちも堆肥と稲を物々交換できて大変助かっています。

牧草を育てる広大な畑

牧草を育てる広大な畑

どうやったらお肉って美味しく作れるのですか?

とにかく牛にストレスを与えないように育てることです。 我々の牧場の規模で繁殖と肥育を一緒にしているところは山口県内でもあまりないと思います。 基本的に繁殖農家で生まれた子牛をセリで肥育農家が買い付け、違う牧場でその牧場独自に育てます。 生んだ牧場と育てる牧場が違うと育て方も育てる人間も違うので牛にストレスがかかります。 我々の牛はここで生まれ、ここで育てるのでストレスが一貫して最初から最後まで一緒です。 また子牛と母牛が5ヶ月程度一緒に牛舎で生活します。 他の牧場より1、2ヶ月程度長く一緒に生活して乳を飲ませているのもここの特徴です。

24時間365日、
毎日一緒にいるから牛の変化がわかる

夢中でミルクを飲む子牛

夢中でミルクを飲む子牛

どうしてそれぞれ数頭に組み分けしているのですか?

血統によって牛の背の高さも全然違い、この子たちにも性格の合う合わないがあります。 組み合わせによっては牛にもストレスがかかり角で突いたりするので、ある程度の月齢と性格の合う牛とで4頭に組み分けをします。 これは1頭1頭の性格が分かっていないとできないと思います。

性格の合う者同士、組み分けされた牛たち

性格の合う者同士、組み分けされた牛たち

牛の性格がわかるんですか?

牛が生まれたときからずっと見てきてますし、牛は2年ちょっとで出荷されていきますが、 我々は何十年もの間、いろいろな牛を見てきているので、自然と牛の性格が分かってくるんです。 例えば性格がひどい母牛だと、子牛に乳を飲ませない。母牛がひどいと子牛も落ち着きが無くなります。 また、牛たちは餌の時間になると鳴き出します。 時計もないのに時間をよくわかっているし、牛たちも我々を本当によく見ていますよ。

牛の個体の性格に合わせた最適な飼育をおこなっている

牛の個体の性格に合わせた最適な飼育をおこなっている

牛を育てるうえで、大変なことはありますか?

牛の出産は大変です。もちろん我々で立会いをしますが、いつ産まれるか牛は教えてくれません。 中には逆子などいろいろなケースもありますし、獣医さんを呼んでも車でここまで2時間程度かかります。 1番多いときは1日に4頭産まれました。中には自分だけで産む牛もいます。この3月には15頭の出産を控えています。

農事組合法人長沢台生産組合代表理事 水津 元廣 様

農事組合法人長沢台生産組合代表理事 水津 元廣 様

最後にひとことメッセージをいただけますでしょうか?

この長沢台で生まれた牛を地元の餌で手塩にかけて育てました。全国の皆様に是非食べていただきたいです。

長沢台生産組合の商品

萩見蘭牧場インタビュー

萩見蘭牧場×見蘭牛

山口県萩市の空気や水のおいしい自然環境に恵まれた、萩木間畜産団地の中に位置する牛舎。
国の天然記念物見島牛とオランダ原産ホルスタインを掛け合わせて生まれた
「見蘭牛」を生産する萩見蘭牧場で商品へのこだわりを伺いました。
今回、ふじ匠のバイヤーがお話を伺ったのは、場長の濱村様と村中様です。

世界に誇る和牛のルーツ「見島牛」とは

空気や水のおいしい自然環境に恵まれた牛舎

空気や水のおいしい自然環境に恵まれた牛舎

場長のこちらへ入社するきっかけは何ですか?

元々牛肉が好きで、牛を肥育する職業に就きたいと思っていたときに、学校の先生の紹介もあり、こちらに就職することに決めました。 今、10年ぐらい経ちますけど、日々、新しい発見ばかりです。

村中様のこちらへ入社するきっかけは何ですか?

高校生のとき、広島県に観光で酪農農園に行ったことがきっかけです。 アイスクリームやジェラートがすごく美味しくて、牛を見ながら「こんな生活が出来たらいいなぁ」と思い、専門学校にも通い、こちらに就職しました。

濱村場長と村中様にインタビューをおこなうふじ匠のバイヤー

濱村場長と村中様にインタビューをおこなうふじ匠のバイヤー

「見蘭牛」のルーツでもある「見島牛」とは?

山口県萩市沖から北西約45kmの場所に見島という小さな島があります。 その島に生息する牛が見島牛です。離島に生息しているため、西洋種との交配を免れたことから和種としての原型と純血を保ち、昭和3年に国の天然記念物に指定されました。 言わば和牛のルーツと言われている幻の牛です。

特別な飼育をしなくても、
大切に守り続けた純血が上質な肉質にする

立派な角で風格のある見島牛

立派な角で風格のある見島牛

見蘭牛と見島牛の違いは何でしょうか?

見蘭牛は見島牛とオランダ原産ホルスタインを掛け合わせてできた、いわゆる交雑種になります。 2つの牛の大きな違いは体格です。見島牛は割と小さく、出荷体重は600kg程度ですが、見蘭牛は800kgまでになり、200kgは違ってきます。 あとは見た目で言えば、たいてい牛は真っ黒に見えると思いますが、所々白いところがあります。あれはホルスタインの名残で、白い毛が顔やお腹や脚にあったりします。

ホルスタインの名残で白い毛のある見蘭牛

ホルスタインの名残で白い毛のある見蘭牛

角は生えないんですか?

角は普通なら生えるんですが、見蘭牛は子牛の頃に焼いて生えなくします。 角があると従業員が危ないのと、牛同士で突きあったりします。 突きあって体に痕が残るとお肉の評価が下がってしまいます。 ここでは見島牛も30頭程度育てていますが、見島牛は島からこちらに運ばれてきた時点で角が伸びているので除去はしません。

のんびり、のびのび育つことによってじっくり旨みをたくわえる見蘭牛

のんびり、のびのび育つことによってじっくり旨みをたくわえる見蘭牛

牛の鳴き方ひとつでメッセージみたいなものはありますか?

やっぱりありますね。面白いのが、時々、牛をつなぐロープがほどけて逃げてしまうことがあります。 そうするとまわりの牛が騒いで教えてくれます。だから牛が逃げたかどうかはすぐにわかります。 あと、子牛はミルクが欲しいときはすごく鳴きます。基本的に「逃げたぞー」「飯くれー」くらいの単純なことはわかります。

牛によってなつく、なつかないはありますか?

それもありますね。だいたいの牛はみんなこちらに興味を持ってくれますが、中には臆病な子も多く、近寄ってくるけど触らせてはくれません。 あまりなつき過ぎると大きい体でずっとついてくるので危なかったりもします。 あえてなつき過ぎてない方が扱いやすいですね。でもなついてくれる方がやっぱり可愛いですけどね。

給餌の際も牛をチェックし、体調の変化を見逃さない

給餌の際も牛をチェックし、体調の変化を見逃さない

牛を育てるうえでの苦労はありますか?

ここには見蘭牛が約270頭、見島牛が約30頭の計300頭程度います。 この300頭を3人で管理していますがなかなか大変です。 学校の先生曰く「1人で150頭は管理できる」とおっしゃってました。まだまだ頑張ります。 あと、ここはすごく気温が低いため、冬場はとても困ります。 ウォーターカップという牛の水飲み場が凍り、水が飲めなくなって餌の食いが悪くなったりします。 毎年恒例のことですが、その場合人の手で溶かします。

体調を悪化させないように獣医によるチェックも受ける

体調を悪化させないように獣医によるチェックも受ける

見蘭牛を飼育していて嬉しいことはありますか?

一貫して言っているのが、牛が大きく育った時ですね。 小さい子牛から育てて大きくなるまでの過程を全部見て、出荷時が700㎏~800㎏にまでなったら「良い状態に育ったな」と感じます。 ここまでの大きさになると肉質も良くなるので、やっぱり牛が大きく育つと嬉しいです。

ふじ匠/松岡 ふじ匠/西村 萩見蘭牧場場長 濱村 様 ふじ匠/秋山 萩見蘭牧場 村中 様

左から)萩見蘭牧場/場長 濱村 様 萩見蘭牧場/村中 様

最後にひとことメッセージをいただけますでしょうか?

一生懸命育てた見蘭牛を、是非美味しくお召し上がりください。

萩見蘭牧場の商品

生産者インタビュー

生産者インタビュー

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